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2025.09.22

コラム

介護拒否をする高齢者に共通する理由とは?状況別の対応例を解説|福岡

高齢の家族が介護を拒むと、不安になります。
どう接すればいいのか、悩む方も多いのではないでしょうか。
声をかけても受け入れてもらえず、ついイライラしてしまうこともあるでしょう。

しかし、介護を拒む本人には理由があります。
「まだできる」「迷惑をかけたくない」など、支援を断る背景には強い想いがあるのです。

とはいえ無理に介入すると、関係がこじれかねません。
一方で、何もしないとリスクが高まります。
もし、転倒や体調が悪化した場合などは、命に関わることもあります。

大切なのは、気持ちに寄り添う姿勢です。
拒否の背景を理解し、丁寧に関わることで、少しずつ信頼関係が築かれていきます。

この記事では、介護拒否の理由や心理を解説します。
さらに、状況ごとの具体的な対応例も紹介します。
福岡で在宅介護を考えている方にも、ヒントとなる内容をお届けしますので、ぜひご覧ください。

介護拒否への対応が必要な背景とは?

介護を拒否する高齢者は決して少なくありません。
しかしその背景には、さまざまな心理や生活環境が影響しています。
まずは、その拒否の根底を知ることから始めましょう。

自立心の強さが支援を拒ませる

高齢者の多くは長年家庭を支え、社会と向き合ってきた経験があります。
自分のことは自分でやるのが当然と、強い自立心を持っている方も少なくありません。

たとえ体が思うように動かなくなっても、恥ずかしさや老人扱いされたくないという思いが、支援を受け入れる妨げになってしまいます。

プライドや羞恥心の高さも関係

介護を受けることは、生活の一部を誰かにゆだねるということ。
それは、ときに弱さを見せることにもつながります。
特に排泄や入浴の介助など、デリケートな場面では拒否反応が出やすくなります。

家族に迷惑をかけたくないという気持ち

子どもには負担をかけたくないと考える高齢者も少なくありません。
自分が介護を必要とすることで、家族の生活や仕事に影響が出ることを心配しているのです。

しかし、その気遣いも支援を遠ざけてしまう要因の一つです。
結果として家族の負担を大きくしてしまう悪循環に陥ることもあります。

過去のトラウマや体験の影響

以前に受けた介護サービスに不快な思いをした場合も、介護拒否につながりやすいです。
その記憶が心に残り、再び支援を受けることに抵抗を感じるようになります。

・対応が冷たかった
・プライバシーが守られなかった
・話を聞いてもらえなかった

このような体験があると、新しいサービスも同じだろうと決めつけてしまうのです。

認知症や精神的な不調による理解の困難

認知症の進行により、介護の必要性が理解できないこともあります。
本人にとっては「知らない人が勝手に来る」ように感じられ、警戒心が強まります。
また、うつ状態にある方は、「どうでもいい」と自暴自棄になることも。

このような場合には、まず安心感を持ってもらうことが何より重要です。

介護拒否の高齢者に共通する主な理由

介護を拒む背景には年齢や性格に関係なく、共通する想いが隠れていることがあります。
ここでは、現場でもよく見られる代表的な理由を紹介します。

「まだ自分でできる」という自負

介護を必要とする状態になっても、本人にはその自覚がない場合があります。
「日常生活に困っていない」
「昔から一人で何でもやってきた」
そう思っている方ほど、支援を拒む傾向があります。

他人から見れば危なっかしく感じる行動でも、本人にとっては日常です。
そのズレが、支援をめぐるすれ違いにつながります。

プライドや羞恥心が邪魔をする

介護は、衣食住の基本を支える行為です。
特に拒まれやすいのが、入浴・排泄・着替えといったプライベートな部分に関わる支援です。
これらは本人の尊厳に強く関わるため、抵抗感が出やすい場面です。

家族に迷惑をかけたくない

「子どもは仕事で忙しいから」
「嫁に気をつかわせたくない」
など、遠慮の気持ちが強くなることもあります。

一見やさしさに見えるこの思いが、結果として適切な支援を遠ざけてしまいます。
その結果、本人の生活を不安定にする原因になることも少なくありません。

過去の経験からくる不信感

介護サービスを受けた際に、嫌な思いをした経験があると、「また同じことになる」と警戒するようになります。

・声かけが乱暴だった
・一方的にサービスを進められた
・個人情報が守られなかった

こうした小さな不信が積み重なり、拒否につながることがあります。

認知機能の低下による理解の難しさ

認知症の進行や軽度の認知障害がある場合、「なぜ介助が必要なのか」が理解できなくなります。

また、記憶が不安定なため、介護スタッフのことを知らない人と認識することも少なくありません。
こういった背景から、不安や怒りにつながるケースも見られます。

状況別にみる介護拒否への対応ヒント

介護拒否は相手の性格や生活背景だけでなく、その時々の状況によっても強く表れます。
だからこそ、場面に応じた対応を考えることが大切です。
ここでは、よくあるケース別に対応のヒントをご紹介します。

訪問介護そのものを拒否する場合

「知らない人が家に来るのが嫌」
「生活を見られたくない」
そんな理由で訪問介護を断る方は少なくありません。

対応のポイント

・最初は短時間の訪問から始める
・清掃や買い物など、介護以外の名目で訪問する
・同じスタッフを継続して派遣し、信頼を築く

安心してもらうためにも、まずは「顔を覚えてもらう」ことが重要です。
玄関先でのあいさつだけでも構いません。
少しずつ関係を育てていきましょう。

入浴介助を強く嫌がる場合

入浴はもっともプライベートな行為のひとつです。
「恥ずかしい」「裸を見られたくない」と感じるのは自然な反応です。

対応のポイント

・清拭や足浴など、衣服を脱がずにできる方法から提案
・性別を揃えたスタッフの配置を検討
・入浴頻度を減らし、本人のペースに合わせる

体がきれいになると気持ちも軽くなると感じてもらえるよう、無理なく進めましょう。

排泄介助を拒む場合

排泄の支援は、羞恥心が表れやすい場面です。
特に、家族に介助されることを嫌がる方は少なくありません。

対応のポイント

・ポータブルトイレや補助具を活用し、自立を尊重する
・夜間だけなど、限定的なサポートから始める
・声かけや誘導のみで済ませる方法も検討する

可能な限り本人の尊厳を守りながら、必要なサポートをさりげなく行う工夫が求められます。

サービスを受けること自体を拒否する場合

「介護なんて必要ない」「放っておいてくれ」
このように、支援そのものを拒むケースもあります。

対応のポイント

・介護という言葉を使わず、手伝いや見守りなど柔らかい表現に言い換える
・本人の役割を明確にする(たとえば、洗濯物をたたんでもらうなど)
・感謝や尊敬の気持ちをこまめに伝える

助けられる存在ではなく、誰かの役に立っていると感じられることが、受け入れやすさにつながります。

介護拒否に対応する家族のストレスも深刻

介護拒否に直面しているのは、高齢の本人だけではありません。
それを支える家族の心にも、大きな負担がかかっています。
言葉ではうまく伝えられない苦しさや、孤独感を抱えている方も多いのが現実です。

「どうしたらいいのかわからない」が続くつらさ

「自分のやり方が間違っているのでは?」
「もうどう接していいのかわからない」
介護を受け入れてくれない日々が続くと、自分を責めてしまう方も少なくありません。
また、状況が変わらないまま時間だけが過ぎていくと、疲れや焦りも積み重なっていきます。

家族の我慢だけでは限界がある

最初は「自分が頑張ろう」と思っていても、無理が続けば心も体も悲鳴をあげます。
「親だから」「配偶者だから」と気を張り続ける必要はありません。

介護で大切なのは、完璧を求めないこと。
ときには立ち止まって深呼吸すること。
それが、長く穏やかに関わり続けるための第一歩です。

第三者の介入が気持ちを軽くすることも

介護をめぐる悩みは、身内だけで解決しようとすると煮詰まりがちです。
そんなときは、外部の支援を取り入れてみましょう。

在宅介護サービスには、家族のケアまで含めたサポートが整っています。
スタッフとの会話やアドバイスが、心の支えになることも少なくありません。

「自分ひとりじゃない」と感じられるだけで、気持ちに少しゆとりが生まれるはずです。

在宅介護サービスを活用するメリット

介護を拒否する高齢者に対して、家族だけで対応するには限界があります。
そんなとき、外部の在宅介護サービスをうまく活用することで、状況が少しずつ好転することもあります。
ここでは、介護保険が適用外の在宅サービスだからこそ得られる柔軟さや安心感について紹介します。

柔軟なサポートで始めやすい

介護保険の制度に縛られないサービスは、内容や時間の自由度が高いのが特徴です。
「見守りだけ」「掃除だけ」といった、軽い支援からスタートすることもできます。

いきなり介助をお願いするのではなく、日常の家事や話し相手といった形で関わることで、本人の心のハードルも下がります。
自然な流れで介護に移行できるのは、在宅サービスならではの強みです。

家族の負担が大きく軽減される

介護拒否が続くと、家族が付きっきりになり、心身ともに疲弊してしまいます。
在宅サービスを取り入れることで、家族が安心して自分の時間を持てるようになります。

・一時的に外出するあいだの見守り
・毎週決まった時間の生活支援
・夕食後だけのサポート

このように、生活スタイルに合わせた使い方が可能です。

「介護は自分たちだけで頑張らない」
そう思えることが、長く支え合うための土台となります。

信頼関係の構築につながる

最初は拒否していた高齢者も、スタッフとの関係が深まることで態度が変わることがあります。
相性の良いスタッフが関わることで、笑顔が増えることも少なくありません。

信頼関係ができれば、入浴や服薬といった抵抗の強かった支援も、少しずつ受け入れてくれる可能性が広がります。

在宅介護サービスは、ただ手伝うだけではありません。
心の距離を縮める役割も担っているのです。

▶︎在宅介護サービスのメリット・デメリットについてはこちらから

まとめ

介護拒否の裏には、本人なりの理由があります。
自立したい・迷惑をかけたくない・恥ずかしいといった感情、人として自然に感じることです。

だからこそ、大切なのは受け入れてもらう工夫です。
無理に押しつけるのではなく、心に寄り添う姿勢を持ち続けること。
小さなきっかけが、拒否から信頼へと変わることもあります。

しかし、介護拒否の方を家族だけで抱えるのはとても大変です。
在宅介護サービスを活用すれば、負担を減らしながら適切な支援が行えます。

福岡で介護拒否にお悩みの方は、ライフケア荒江へお気軽にご相談ください。
あなたとご家族の心に、少しでもゆとりが生まれるよう、そっとお悩みに寄り添います。

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